あなたは狂っている
第二章

彼がわからない

「え? どういうことですか?」

翌日、琴美は母の病院にいた。

「実は、匿名の方からお母様の治療費が全額支払われまして」
「え……?」
「それだけではないんです。最新の治療を受けられる病院への転院手続きも整いまして。大学病院の専門医が、お母様を診てくださることになりました」
「匿名?」
「はい。ただ、とても大きな額でして……お知り合いの方でしょうか?」
「どういうこと……」

琴美が浮かんだ人物はたった1人。

(霧生副社長……)

「確認します」
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