あなたは狂っている
悪魔の足音
琴美は無理に姿勢をまっすぐ保ち屋上に向かう階段を上った。
その後を面倒そうに山本が続いた。
「どこに行くの?」
「屋上です」
「社内でこうやって呼び出されるのは困るな~誰に会うかわからないじゃないか」
「大丈夫です。屋上は誰も来たことはありません」
琴美の態度がいつもと違うことに山本は少しだけ首を傾げる。
「それに今日で最後にしますので」
「え?」
琴美はそういうと屋上へ出る為の重い扉を開いた。
日が沈みかけている。
オレンジ色の光が、屋上全体を染めていた。
霧生は、屋上にある階段から繋がっているの屋根の上に座っていた。
ネクタイを緩め、スーツの上着を脱いでタバコを吸っている。
霧生は、空を見上げた。
夕焼けの空。
美しいと言われる光景。
でも霧生には何も感じられない。
霧生は、タバコの煙を吐き出した。
その時、屋上のドアが開く音がした。
霧生は、顔だけを音の方に向けた。
ドアから出てきたのは、男女2人。
霧生は無言のまま、2人を見た。
琴美はフェンスの方へ向かい、そこは霧生からよく見える場所だった。
霧生は興味がなさそうに再び正面を見てタバコを吸った。
琴美と山本はまさか副社長がいるとは思ってもいなかった。
「なんだよ、俺と2人きりになりたかったのか?」
山本がニヤニヤと笑った。
琴美は手に力が入った。
心臓がバクバクして落ち着ける為に夕日を見て心を落ち着かせた。
しかし琴美の目には涙が出て来た。
琴美は急いでその涙を手で拭った。
「いったいなんだよ」
山本が琴美にイライラし始め、少し大きな声を出した。
琴美は山本の方へ向き合って、
「結婚するって本当ですか?」
山本の顔が、一瞬固まった。
「……は?」
琴美は、震える声で繰り返した。
「私との関係って何なんですか?」
沈黙。
山本は、琴美から視線を逸らした。
「あー……」
山本が、頭をかいた。
「誰から聞いたの?」
「噂です」
琴美の声が震えた。
「石神さんって方と結婚するって……」
山本は、ため息をついた。
そのあと笑い始める。
琴美は眉をひそめた。
「あー、もう。バレちゃったか~」
山本の声は軽かった。
「じゃあ……本当なんですか……?」
山本が、琴美を見た。
「うん、まあ」
山本が、あっさりと認めた。
「来月、籍入れる予定」
その瞬間、琴美の力が抜けた。
足元がぐらつき、思わずフェンスを掴む。
呼吸が浅くなっているのがわかった。
その後を面倒そうに山本が続いた。
「どこに行くの?」
「屋上です」
「社内でこうやって呼び出されるのは困るな~誰に会うかわからないじゃないか」
「大丈夫です。屋上は誰も来たことはありません」
琴美の態度がいつもと違うことに山本は少しだけ首を傾げる。
「それに今日で最後にしますので」
「え?」
琴美はそういうと屋上へ出る為の重い扉を開いた。
日が沈みかけている。
オレンジ色の光が、屋上全体を染めていた。
霧生は、屋上にある階段から繋がっているの屋根の上に座っていた。
ネクタイを緩め、スーツの上着を脱いでタバコを吸っている。
霧生は、空を見上げた。
夕焼けの空。
美しいと言われる光景。
でも霧生には何も感じられない。
霧生は、タバコの煙を吐き出した。
その時、屋上のドアが開く音がした。
霧生は、顔だけを音の方に向けた。
ドアから出てきたのは、男女2人。
霧生は無言のまま、2人を見た。
琴美はフェンスの方へ向かい、そこは霧生からよく見える場所だった。
霧生は興味がなさそうに再び正面を見てタバコを吸った。
琴美と山本はまさか副社長がいるとは思ってもいなかった。
「なんだよ、俺と2人きりになりたかったのか?」
山本がニヤニヤと笑った。
琴美は手に力が入った。
心臓がバクバクして落ち着ける為に夕日を見て心を落ち着かせた。
しかし琴美の目には涙が出て来た。
琴美は急いでその涙を手で拭った。
「いったいなんだよ」
山本が琴美にイライラし始め、少し大きな声を出した。
琴美は山本の方へ向き合って、
「結婚するって本当ですか?」
山本の顔が、一瞬固まった。
「……は?」
琴美は、震える声で繰り返した。
「私との関係って何なんですか?」
沈黙。
山本は、琴美から視線を逸らした。
「あー……」
山本が、頭をかいた。
「誰から聞いたの?」
「噂です」
琴美の声が震えた。
「石神さんって方と結婚するって……」
山本は、ため息をついた。
そのあと笑い始める。
琴美は眉をひそめた。
「あー、もう。バレちゃったか~」
山本の声は軽かった。
「じゃあ……本当なんですか……?」
山本が、琴美を見た。
「うん、まあ」
山本が、あっさりと認めた。
「来月、籍入れる予定」
その瞬間、琴美の力が抜けた。
足元がぐらつき、思わずフェンスを掴む。
呼吸が浅くなっているのがわかった。