【SS集】クリスマスに甘い恋を。


「せ、青春なんて、いいんです!わたしは天文部で活動することが目的なんですからっ」


「咲き盛りの女子がそんなこと言うなって。伊月だって彼氏の1人や2人さぁ?」


「ふ、2人ってなんですか!?彼氏はふつう1人ですよっ」


「はははっ、お子ちゃまにとってはそうかもな~」




 気持ちいいくらいに笑って、夜久先輩はニヤリとほおづえをつく。

 ま、まさか…。




「夜久先輩、もしかしてたくさん彼女がいるんですかっ!?そ、そんなのフラチですっ」


「ん~、どう思う?」




 ほおづえをついたまま、夜久先輩はニコニコとなんだか楽しそうに聞いてきた。

 どうって言われても…と、わたしの胸がすこし痛む。

 夜久先輩は女の子に人気だし、夜久先輩目当てに天文部に入った人も多い。


 でも実際は、ひょうひょうとした態度で のれんに腕押しだし、天文部自体の活動もほとんどないから、みんな来なくなっちゃうんだけど。
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