ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜8
「それで、お姫様はいつ頃に来るにゃん? キルスギール国ではどんなお料理を食べているにゃん?」

「待ってね、料理のことなら狐のリックルを呼ぶわ」

 リックルは王宮の料理長で、エリナともとても親しくしている。というか、ここの料理人たちは、新しくて美味しいレシピを惜しみなく伝授してくれる天才料理人の子猫を、心から尊敬して崇めているのだ。



「エリナ様、このリックルをお呼びでございますか!」

 急ぎ足でやってきたらしく、呼吸を荒くするリックルが部屋に入るなりエリナに迫ってきたので、ルディが「近いぞ」と狐の首根っこをつかんだ。まあ、これはいつものことである。

「リックルさん、『様』をつけるのはやめてって言ってるにゃん」

「エリナ様を尊敬する気持ちが溢れて、我々料理人は様をつけずにいられないのです!」

 ルディはぶら下げたリックルに「そういうのは暑苦しいからよせ」と注意した。

「落ち着いて話を聞け。今日は、キルスギール国からやって来る姫に出す料理と、新しいケーキの作り方についての相談があるから……」

「新しいケーキ! エリナ様、それはどのようなものなのでしょうか?」

 リックルがするりとルディの手から抜け出したが、今度はフランセス王太子にぶら下げられ(彼も狼の獣人なので、力があるのだ)さらにサランティーナ王妃に扇の先で突かれながら「落ち着きのない料理人に、エリナのレシピが扱えるのかしらねえ?」と恐ろしい笑顔で囁かれて震え上がる。

「もっ、申し訳っ、ございません!」

「興奮するのもわかるけど、料理長へのエリナちゃんの期待を裏切らないでね?」

「はいいいいいいーっ!」

 狐のリックルは頭がガクガクするくらいに激しく頷いた。

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