ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜8
 まんまるく綺麗に焼き色がついたスポンジケーキが冷めたら、ここからは楽しいデコレーションタイムである。
 エリナは横にスライスして、まずはあんずジャムの入ったシロップを塗る。さらに泡立てた生クリームを塗ってスライスしたいちごをたっぷりと並べてまたクリーム、そして重ねた周りに生クリームを塗り、真っ白な上にちょこんと搾り出したクリームを台座にして真っ赤ないちごを並べていく。

「さすがはエリナ様、素晴らしい技術です……」

 リックルがついうっかり『様』付けしてしまうほど、シンプルだが、生クリームといちごの美味しさを味わえる完璧な姿のショートケーキができた。

「上品で素敵。飾りすぎない美しさがいちごを引き立てているわ。さすがはエリナちゃんだわね」

「にゃん」

 エリナは日本にいた時に憧れた、クリスマスや誕生日のために売られているショートケーキを自分の手で作り出すことができて、じっと見つめながら幸せを噛み締めていた。その様子を見ていたルディは『もしや、エリナはこれをひとりで丸ごと食べたい気持ちになっているのではないか?』と考えた。

「エリナ、」

 ひとりで食べてもいいんだぞ、と言いそうになったが、子猫は素早く包丁を手にすると「こうしてぬるま湯で温めてから水分を拭き取ります」と準備をして、さくっとカットをした。

(こうしてみんなで分け合えることが幸せなんだと思う。江理奈、もうひとりぼっちじゃないよ、美味しいものを一緒に食べて笑い合える大切な人たちがたくさんいるからね)

 子猫は心の中で、寒い部屋にうずくまって満たされないおなかを抱える江理奈に話しかけた。
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