ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜8
 そうこうしているうちに、それぞれの席によだれ鶏とごはん、漬け物、味噌汁が配られた。パクチーの量は、料理人がそれぞれに好みの量を尋ねて、ほんの香り付けからこんもりした量まで添えている。

「おお、それはパクチーではないか。わしはキルスギール国に行った時にこの味にハマってな。麺の入った汁物にたっぷり入れて食べたものじゃ」

 ギルバートはたっぷり派であった。

「今日はお味噌汁と漬け物を添えて、おかずとして食べて欲しいにゃん。サラサお姉ちゃん、わたしの故郷の味なんだけど、お豆腐とわかめを食べたことはあるにゃん?」

「いえ、両方とも初めてよ。知るものではなかったけれど、お味噌は知っているわ」

「もしもし苦手だったら、無理はしないでにゃ」

 サラサ姫は、複雑な表情をしてパクチーをちらりと見た。フランセス王太子は「そうだよ、これがなくてはね」とパクチーを歓迎している。

「そういえば、この前のよだれ鶏にパクチーがなかったのは、スカイヴェン国で手に入りにくかったからなの?」

 彼に尋ねられたサラサ姫は、困った顔をして「それは……」と口ごもった。

「この国の皆さんは、あまり、お好きじゃないかなって……他国からのお客様には、この香りを受け付けない方もいらっしゃるし……」

「僕もたくさんは食べないけれど、ないと物足りないんだよ」

「そう、だったの? 無理はしないでくださいね……皆さんも、お口に合わないなら残してください……」

 サラサ姫の曇った表情をじっと見ていたエリナは、ハッとした。

「ギルおじいちゃん、パクチーは他の料理にも使われていたにゃん?」

「うむ、おかずはもちろん、ごはんものにも乗っていたな。これがキルスギール国の故郷の味なのだろうと思っていた」

 子猫は「やっぱり……」としばらく考えていたが、突然席を立つとサラサ姫のところに駆け寄り、その手を握った。

< 183 / 201 >

この作品をシェア

pagetop