わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
やはり、使い魔は動物系が多い。

手に入りやすく、扱いやすいので、戦闘や護衛、探索にむいている。

動物は文句を言わないが、単純な命令しか実行できないのが難点だ。

最後に魔女の国、クラリスが入場してきた。

隣にはイーディスが、ポケットに手を突っ込んだまま、ふてくされた様子で歩いてくる。

身長が高く大人の姿なので、クラリスが小さなこどもに見える。

しかもクラリスの顔が、真っ赤に腫れていて、頬っぺたが赤いリンゴなみになっている。

緑のドレスは泥で汚れ、葉っぱや枯れ枝がところどころついているし、
こんな姿で登場する参加者と使い魔を見たことがない。

参加者それぞれが一歩前に出て、皇帝にお招きの挨拶と自己紹介をする流れになっているのだが、城内すべての観客が、ざわつきはじめた。

アンバーは、主催国のホスト役として、皆様を歓迎するという趣旨の挨拶を、まったく申し分のなく述べた。

A国から挨拶が始まり、最後が魔女の国、クラリスの順番だったが、何も言わず横をむいている。
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