わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
美しいエルフが戦い向きではないのは、誰もが納得するところだが、
イーディスは男の使い魔で、魔力もあるはずなのに・・・

アンバーが考え込んでいると、大きな太鼓が鳴り響き、組み合わせ順が決まったことを知らせた。

「第一試合、A国代表、対戦相手は魔女の国代表」

A国のライオン型使い魔は、動きは単純だが力は強い。

鋭い爪は破壊力が抜群だが、その動線が読めれば勝機はある。

アンバーは、A国分析を素早くしたが、クラリスのほうきは何が有効なのか、首をひねった。

A国代表の女の子は、クラリスより幼いが、不敵な笑いを浮かべていた。

勝つ気満々なのか、ライオンも空気をふるわせる咆哮をした。

「始めっ!!」

審判が大きな旗を振ると同時に、ライオンがクラリスに向かって飛び出した。

「危ないっ!!」

アンバーが思わず声を上げた時、クラリスはポンとほうきを空に投げ、そのまま空中に上昇した。

ライオンは方向転換ができず、そのまま突っ走っていくだけだ。

A国の女の子は、ライオンを呼び寄せようと必死で笛を吹くが、ライオンはなかなか戻ってこない。
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