わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話

交流会4日目

<交流会4日目>

4日目は城の大広間での試験が行われる。

幾何学と地理、生物と天文学から二つ選択、あと自分の国の特徴を記述するレポート作成が課せられる。

幾何学は大丈夫だ。アンバーはそっと息を吐いた。

家庭教師から、しっかり試験対策を受けていたし、レポートも何回も書いて添削をしてもらっている。

問題用紙と解答用紙が配られると、試験官が時計を指さした。

「それでははじめてください」

子どもたちはいっせいに筆記用具を持ち、問題用紙に向かった。

アンバーも問題文を読むと、すぐに解き始めた。

これならいける。たぶんパーフェクトだ。

緊張が少しだけとけて、周囲を見回す余裕がでた。

アンバーの隣に、クラリスは座っていた。

ペンを持っているが、目がはるか彼方に行っている。

夢を見るようにうっとりしている顔つきだ。

問題を解かないのか?解く気がないのか?

それとも、わからないのか・・・

アンバーは気になったが、頭を振った。

クラリスなんてどうでもいい。

まずは自分の課題に集中しろ!

その瞬間、クラリスのペンは、猛烈に動き出した。

ものすごく集中して書いている。

見直しが終わると、アンバーは手をあげ、退出をする合図をした。

そして立ち上がる時に、クラリスの解答用紙が見えた。

そこには、なんとグスタフ皇国の皇帝の似顔絵が、描かれている。

それも上手い。

「え・・・・」

クラリスも手をあげた。終了の合図だ。

側近が回収しに来た時には、クラリスの解答用紙はすべて白紙になっていた。
< 19 / 56 >

この作品をシェア

pagetop