わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
イーディスがアンバーの首を締め上げ、そして、声を低くして言った。

「皇太子さま、これ以上、ミエルを苦しめたら、お前を殺すぞ」

「手を離せっ!」

アンバーが叫んだその時、ミエルの手がイーディスの腕をつかんだ。

感電のような刺激で、イーディスの手が一瞬ゆるむと、ミエルは泣き叫びながら、アンバーをかばうように立ちふさがった。

「イーディス、もう、かまわないで!!早く行って!」

「くそっ!!」

イーディスはアンバーをにらみつけ・・・姿を消した。

「ごめんなさい・・ごめんなさい」

ミエルが床に手をついて、アンバーに謝り続けてる。

「あんな奴と、二度と会うんじゃないっ!!」

アンバーはそう言い捨てると、ミエルの手を振り切って音楽室から出て行った。

まったく、魔女の国はなんなんだ!

クラリスといい、イーディスといい、あきれるにもほどがある。

アンバーの怒りは、収まらなかった。
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