わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
アンバーは落胆して、石に座り込んだ。

能天気な問題児には、つきあいきれない。

クラリスは花をくわえて、大きな石の上に足をぶらぶらさせて座っている。

木漏れ日の中で、妖精のように見える。

もう少したてば、きっと、あの絵姿の人のように・・・美しくなるのか。

魔女は、老婆に姿を変えると聞いたが・・謎だ。

アンバーはふと、クラリスに見とれている自分に気が付いた。

「ほら、あったわよ?」

クラリスが、紙をひらひらさせた。

「見せてくれ!」

アンバーの勢いに、クラリスがすぐに紙を渡した。

<ドリーネを証明するものを、持ってくること>

「ドリーネって何?」

「カルスト地形だよ。もう少し行くと、石灰岩が岩みたいになっている場所に出るんだ」

アンバーはさすがに、自国の地理に詳しい。

「石灰岩のかけらが必要だってことだ」

「なに?それ・・・・?」

クラリスは首をかしげた。

アンバーはすぐに解答を見つけられたので、安堵した。

たぶん、家庭教師が問題を作ったのだろう。

これは、アンバーにとってラッキーな事だ。

それに、山に入らなくてもすむのが有難い。
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