わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
余裕がでたので、アンバーは、クラリスにわかるように説明を始めた。

「この下には、地底湖があって、鍾乳洞の入り口がいくつかある。
何回か家庭教師と一緒に入ったけど、鍾乳石でつくられた、巨大な宮殿みたいな場所があるんだ」

クラリスはわかったような、わからないような曖昧な顔をした。

「とにかく、そこの石ころを拾って帰ればいいわけね」

「まぁ、そういうわけだ」

アンバーは、すぐに磁石と地図を確認した。

「アンバー、あの、あなたが1位になったら・・」

クラリスが言いかけると、アンバーはすぐ先を歩き始めた。

「楽勝だ。さぁ、行こう」

山に入ることなく、この課題が終了できると思うと、アンバーの心は軽くなった。

クラリスは、憂鬱な表情を見せたが、後に続いた。

森を抜けると、その風景はいきなり現れた。

細長い石がぼこぼこ地面から突き出て、墓標のようだ。

アンバーがナイフで石を削った。

「いいよ。これで大丈夫だ」

そう言い終わると、石のかけらをポケットに入れた。

何としても1位を取りたい。

早く帰らないと・・アンバーは焦っていた。

「クラリス!走るぞ」
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