わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
「ろうそくの代わりになるもの。こうやって・・・」

クラリスは器用に枝を束ねて、土に突き刺した。

先端に人差し指を置くと、ぽわっと明かりが灯った。

「ろうそくほどの火ではないけれど、あったほうがいいと思う」

アンバーはその明かりを見つめた。

月明りと違って、蛍のように温かみのあるものだ。

クラリスは丸くなって膝を抱えた。

さすがに地面から冷気があがり、寒くなってきている。

その様子を見て、アンバーは急いでマントをリュックから取り出した。

「これ、君が使えよ。僕は何とかなるから」

クラリスがあきれたように言った。

「あんたが風邪ひいて、具合が悪くなったらどうするのよ」

「でも・・・君の方が薄着だし」

「あのねぇ、今は私たち、協力すべきなの!」

クラリスは断言した。

「お母さまが言っていたわ。
主人と使い魔は、お互いが協力しなければ、結果をだせないって。」

「私たちは、使い魔と主人の関係ではないけれど、この寒さをどうしのぐか協力するのよ。
マントを貸して」

クラリスはこの状態を冷静に把握している、アンバーはちょっと感心した。

そして、クラリスが動いた。
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