わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話

クラリスの願い

「こんなもの、役に立たないわ。
道を閉じたり、開けたり、色を変えたり、そんなもんよ」

クラリスがふと、思い出したように顔をあげた。

「アンバー、どうしても、お願いがあるの!」

「何・・?」

「ミエルの心臓を返してあげて。
あなたの国から解放してあげて。
これは、主人だけができることだから」

アンバーをまっすぐに見つめるルビーの瞳は、濡れて輝きを増している。

ろうそくが消える、あの最後の瞬間の輝きのようだ。

「イーディスはあんな奴だけど、心からミエルを愛しているの。
もし、ミエルに何かあったら、イーディスは手段を問わないわ。

アンバー、あなたが最初に標的になってしまう。」

アンバーは唾をのんだ。

確かに・・これは脅しではない。

「いいよ、問題ない。ミエルは、父上が強制的につけたエルフだけど、今なら、僕の判断で心臓を返すことができるよ」

「よかったぁ・・」

心からほっとしたように、クラリスはちょっと笑顔になった。

「イーディスには幸福になってほしいの・・ミエルの気持ち次第だけど」

アンバーは首から、ペンダントをはずし、クラリスの手の上に置いた。
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