わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
「この約束は必ず果たす。これが誓いだ。」

ペンダントはグスタフ皇国の紋章と、次期継承者のみが持つサファイアの石が埋め込まれている。

「約束が果たされるまで、クラリス、君が持っていてほしい。
終わったら返してくれればいい」

クラリスは、アンバーのペンダントを見て、驚いて返そうとした。

「だめよ!こんな大切なもの。
人に渡しちゃ・・」

アンバーは、クラリスの手を包み込むように握った。

「いいんだ。僕が君に持っていてほしいと、思っているのだから」

その手に力がこもった。

「魔女の国のことも、何かできることがあると思う。僕と君が協力すれば・・きっと」

クラリスは何も言わなかった。

きっといろいろ考えているのだろう。

ワンワン、ワオーーーン

暗闇の中で吠え声が聞こえる。

「おーい・・・おーーーい、アンバー様ぁ」

やっと、助けが来たのだ。

クラリスが、明かりの灯った枝を上に投げると、空中で線香花火のように小さな火花が散った。

「アンバーさまぁ・・・」

悲鳴のような声が聞こえ、アンバーが立ちあがって大声で叫んだ。

「ミエル!!ここだ。僕たちは大丈夫だ!!」

縄ばしごが降ろされ、救助される間も、クラリスはずっと黙りこんでいた。

イーディスが現れない理由。

イーディスの奴が仕組んだのだ。
すべて!!!

アンバーの足をひっかけ、穴に落として、クラリスにミエルの心臓を返すよう交渉させる。

結果を出すためには、あいつは手段を選ばない!

暗い表情でクラリスは、グスタフ皇国のペンダントを握りしめた。
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