わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
「ああ・・・そうだったのか。
別に後悔はしていないよ。むしろ、正しい事をしたと思う」

アンバーは、そう言うと、両手でクラリスの手を包み込んだ。

「それにまだ、約束は半分しかはたしていない。後の半分は残っている」

「半分・・て?」

「君の国・・魔女の国を消さないために・・どうするかを二人で考えようって」

「それは・・・」

クラリスは城に視線をやった。

アンバーが正式に皇太子に就任したら、自由に動けなくなるし、責任も重くなる。

「そう言ってくれてうれしい。・・
ありがとう」

クラリスは、力なく笑ってアンバーを見た。

<そこでキスよ!!!アンバー様!!誓いのキス!!>

木陰で覗いていたミエルが、指先をぐるぐる回してアンバーに向けて、魔法の言葉を送っている。

「ミエル、君はそんなことできるんだ」

イーディスが、感心したように言うと

「主と使い魔の関係なら、ある程度離れていても、意志疎通はできるでしょ
だから邪魔しないでっ!」

ミエルがにらみつけた。

「イーディス!二人をくっつける計画でしょ!
アンバー様は真面目すぎるから、背中を押さないとだめなのよっ!」
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