わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話

誓いのキス

それを聞いて、イーディスは鼻の頭をボリボリかいた。

「ええと、まあ・・でも、君が解放されたし・・・別に」

ミエルはものすごく集中して、魔法の言葉を送っている。

<アンバー様、早くキスをして!>

「あなたもクラリス様に言葉を送りなさい!誓いのキスを受けるように!!」

イーディスはミエルに言われて、渋々、魔力を送った。

<クラリス、アンバーのやつが迫ってきたら・・うーん・・・受け入れるしかないぞ?>

「なに?その微妙な言い方?」

ミエルはイーディスの足を踏んづけた。

アンバーは催眠術にかかったように、クラリスの両手を引き寄せて、そのまま腰を抱いた。

「え・・その・・」

クラリスは一瞬緊張し、腕のなかでうつむくと、アンバーが耳元でかすれた声で言った。

「誓いのキスをしよう・・」

すかさずミエルの魔法の言葉が飛ぶ。

<アンバー様、大人のキスよっ・・
中途半端はだめっ!>

<大人のキス>と聞いて、イーディスは驚いてミエルを見た。

「もしか・・いや君は・・アンバーと・・」

「ちょっと、練習しただけよっ」

「ミエル、君はあんなやつと・・・」

イーディスはすでに半泣きになっている。
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