わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
「ばかっ、アンバー様は、まだ未成年でしょ!そこまでやるわけないじゃない!」

ミエルの間髪入れず、熱血指示が飛ぶ。

<アンバー様、目を閉じて、踏み出すのよ>

イーディスは、ミエルが目をきらきらさせて、魔力誘導(?)しているので愚痴った。

「俺は君としたいよ・・・中途半端じゃないキスを」

「それなら、早くこっちを片づけるのを手伝って!!」

イーディスも仕方なく、クラリスに魔法の言葉を送った。

<クラリス、目を閉じろ!>

<少し口を開けて・・噛みつくな!アンバーを受け入れろ!>

アンバーの唇が、ぎこちなくクラリスの唇に重なり、舌が少し触れたが・・そこで唇は離れた。

アンバーもクラリスも、魔法に酔ったようで、動かない。

薬草リキュールを飲んだ時よりくらくらするし、甘くせつない気持ちが胸に広がる。

アンバーはクラリスの髪に唇をよせると、ゼラニウムの匂いがした。

ドーン、ドーン、ドーン

城から、花火があがり、夜空に大輪の花が咲き乱れた。

その音で、クラリスもアンバーも魔法が解けたようだ。

「あの・・・」
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