わがままな使い魔のせいで、恋と穴に落ちました・・・という魔女のお話
イーディスは窓際のソファーに置いてある、ぬいぐるみたちをポイポイ床に捨てると、
足を組んで座り、部屋の隅っこに張り付いているクラリスを眺めた。

「君は孵化の約束を、半分しか守らなかった。だから・・・・」

クラリスは一瞬、<まずい>という表情をしたが、

「私・・が主人でしょ・・」

それを聞いてイーディスは、小ばかにするように笑った。

「取りあえず<仮>主人としては認めるが・・・俺も君の言う事を半分しかきかない」

「そんな・・・」

クラリスはまゆを下げて、本当に困った顔をした。

「気が向いたら・・きいてやってもいい」

これでは、どちらが主人かわからない。

「お母さまに言ってみるから・・・」

「俺と君との契約だから、母親は関係ないね」

イーディスは一刀両断に言い切ると、あっという間に姿を消し、クラリスは壁に背中をつけたままずるずるとしゃがみ込んだ。
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