【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
「あっ、あの……奥様、お嬢様。今回は素敵な洋服まで用意していただいてありがとうございました。このような物を用意していただいて」
「そんなのいいのよ。それ、なっちゃんのお古だしお金はかかってないわ」
そうなの? こんなに綺麗で素敵なお洋服なのに? 心の中で驚きが広がる。お古でも、こんな上質なものなんて私には贅沢すぎる。
触れるだけで、幸せな気分になるけど、同時に自分の立場を思い知らされる。彼女たちの残り物で満足しなければならない自分……でも、感謝しなくちゃ。
「そうなのですね。ですが、本当にありがとうございます」
用意していただいた洋服は、シフォン素材やレースをあしらってある優雅なピンク色のワンピース。長袖でワンピースケープ風のレースデザインが上品でウエストはベルトできゅっと絞ったシルエットがありロング丈で裾には綺麗なレース刺繍がされている。
こんな服は最初で最後になるのではないかと思ってしまうくらいに素敵だ。鏡の前で着替えて、自分の姿を見て、息をのむ。こんなに綺麗になれるなんて、信じられない。