【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
「今度からは気をつけるよ。そうだ、話。話があったんだよ。美宙、よくやったな!」
「……え? 何をですか?」
「何をって、藤乃さんとの縁談だよ。このまま進めていきたいと言ってくださったんだ」
「そうなんですね、よかったです。お役に立てたみたいで……」
心の中で、喜びが広がる。お役に立てたみたいで本当に良かった。
養女として引き取られた意味が、あったんだ。
でも、同時に複雑な感情が湧く。穂貴さんとの結婚? あの人の優しさに触れたばかりなのに、こんなに早く決まるなんて。胸がざわつく。
「あぁ。そうだ。穂貴くんからね、日曜日にお会いしたいとも連絡があったよ。だから準備しておくように」