【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
でも、穂貴さんの横顔を見ると、安心感が広がる。
「美宙様、宮下と申します。よろしくお願いしますね」
「宮下、さん。初めまして……如月美宙です。こちらこそよろしくお願いします」
宮下さんは、旦那様よりも年下って感じで頼れるお兄さんっていう雰囲気があった。笑顔が優しくて、心がほっとする。
如月家の使用人たちは、いつも冷たい視線を向けてきたのに……穂貴さんが優しいからか、ここは違う世界みたい。
「美宙様、私にさんを付ける必要はございませんよ。宮下とお呼びくださいませ」
「分かりました……では、そうします……」
「えぇ、よろしくお願いしますね。……穂貴様、Berryフラワーパークに向かってよろしいでしょうか?」
宮下さんは私から穂貴さんに話しかけて行き先の確認をして、家から彼がいつも行く植物園へと向かった。
車窓から流れる景色を見ながら、心の中で期待が膨らむ。植物園……前回の話で、穂貴さんの情熱が伝わってきた。あの輝く目が、忘れられない。こんなデートみたいな時間、私に許されるのかしら。