【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
「……っ、おいしいですっ!」
ふわふわのパンに、半熟のスクランブルエッグにジューシーなソーセージが挟まっている。そして、その上には自家製のトマトケチャップがたっぷりとかかっていてとても美味しい。
ホットドックってあまり食べたことなかったけどこんなに美味しかったのね……一口かじるたび、幸せが広がる。穂貴さんの笑顔を見ながら、心が温かくなる。
こんな普通の食べ物が、特別に感じる。養女として、いつも質素な食事をしていた私にとって、これは贅沢ものだ。
「それはよかった。このハーブティーも美味しいんだ、きっと女の子が好きな味だよ」
「ありがとうございます、いただきます」
私はホットドックを堪能してハーブティーを飲んだ。それからお片付けをして、園内を回る。見たことのある植物に見たことも聞いたこともない植物を見て時々穂貴さんに説明を受けながら歩いた。
穂貴さんの声が優しくて、知識が豊富で、心が引き込まれる。運動不足ですぐ疲れちゃいそうだと思ったけど、とても楽しくて疲れるってことはなかった。その後も、たくさんのお花が植えてある花園を見て……全て見終わったのは十三時過ぎだった。
歩きながら、穂貴さんの横にいる自分が、不思議で幸せ。こんな時間が、永遠に続けばいいのに……。