【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
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それからの穂貴さんの行動は早かった。すごく早かった。心の中で、驚きが止まらない。こんなに行動力がある方だったなんて思わなかった。
まず、荷物を取りに行くかと思いきや……旦那様から『荷物は届けさせます』と連絡が入ったので穂貴さん宅にこれから向かうことになった。車の中で、未来を想像する。
同居はどんな生活になるのだろう。穂貴さんの優しさに甘えていいのか、不安がよぎる。
「……宮下さん、今日はありがとうございました」
「いいえ。とんでもございません。では、何かありましたらご連絡ください」
穂貴さん宅に着くと宮下さんは帰って行った。穂貴さんは家の鍵を開けて、私を招き入れる。
家の中に入る瞬間、胸が高鳴った。