【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
「……なんでこれだけ? 服とか、は入ってないね」
「そう、ですね。はは……入れ忘れちゃったのかな」
そういえば、さっきの使用人の方は私にあまりいい感情を持っていなかった。嫌がらせを回避するのに忙しかったし……まぁ、当然かな。
だけど、誰も確認しなかったのかななんて思ったけどもう今どうこう言っても仕方ない。心の中で、諦めと怒りが交錯する。
いつも見下されて、孤独だった。あの家から離れられて、少しだけ安心している自分もいた。