【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
俺の言葉に、決意を込める。でも、心の奥で、自信のなさが揺らぐ。彼女をもう一度、俺に振り向かせられるか。不安が、酒の苦味のように広がる。
「そっか。あ、そういえば如月家は無関係だった。美宙さんが旧華族の末裔なんだとは知らないよ……知らないなら、兄さんに嫁がせたりはしないと思う。ただ、旧華族と繋がりがほしいだけっぽいから」
やはりな……あの家は、何も知らずに引き取っていると思う……知っていたら、自分の息子の嫁にするだろう。心の中で、如月家への怒りが湧く。
彼女を利用しようとする連中から、絶対に守る。俺の使命だ。
その後は貴斗と二、三杯飲み、会社のことを話をした。一応俺も副社長の肩書きがあるから、たまには出社してというお誘いと、母さんが美宙ちゃんとお茶がしたいと言うお誘いだった。
会社の話になると、心が少し重くなる。染織の道を選んだ俺だが、家族の事業を放っておけない。
副社長の役割を果たすのは、俺の義務。でも、美宙ちゃんとの時間を削るのが、惜しい。母さんのお茶会の話は、ありがたい。彼女を一人にするのが心配だ。
あの家で、彼女が孤独を感じないよう、母さんが側にいてくれるなら、安心できる。