【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜



「師匠様の教え方が上手なので……」


 本当に穂貴さんは教えるのがお上手だ。穂貴さんの手が私の肩に軽く触れて、ぞわっと甘い震えが走る。胸が熱くなる。


「努力家のお弟子さんだからね? そろそろ、今日は終わりにしよう」


 私がお師匠様と言ったからか彼は私をお弟子さんと言って、私の使っていた道具を一緒に片付けてくれてアトリエを後にした。片付け中、穂貴さんの指が私の手に触れる瞬間、胸がきゅんとして、ドキドキが止まらない。そして、夕食を食べお風呂に入りダイニングでくつろいでいると穂貴さんに寝るお誘いを受けて寝室に入った。夕食中も、お風呂でも、頭の中は葛藤でいっぱい。秘密を聞きたいのに、怖い。子供のことを言い出せないのに、言わなきゃ。穂貴さんの横顔を見ると、愛おしくて、胸がきゅんとする。


「美宙ちゃん、そろそろ寝ようか。明日も作業をするし」

「はい……あの、穂貴さんっ」


 今、まずは子供のことを相談しないと。お母様から言われたことは伏せた上で……言わないと。胸がどきどきする。勇気を出して。穂貴さんの瞳を見ると、胸がきゅんとして、愛情が溢れ出す。


「どうしたの?」

「穂貴さん。お願いが、あって」

「ん? 珍しいね、美宙ちゃんがお願いなんて」


 確かに、お願いなんてしたことない。
 だけどこれは勇気を出さなきゃ……だって、これは私が言い出さなきゃいけないことだと思うから。心の中で、葛藤が激しくなる。

 お母様の言葉がプレッシャーだけど、私の気持ちも本当。穂貴さんの子が欲しい。愛しているから。穂貴さんの優しい笑顔を見ると、胸がきゅんとして、決意が固まる。


「あのっ、私のこと、抱いてください!」




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