【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜



「……え?」


 話し合いをしようと思ったのに、なんで最初から抱いてくださいなんて……言っちゃったんだろう!? どうしよう!? 頰が熱くなる。恥ずかしくて、目を逸らしたくなる。でも、後戻りできない。穂貴さんの驚いた顔を見ると、胸がきゅんとする。


「美宙ちゃん、意味わかってる? 君を抱くってことは、子供が出来る行為をするということだよ。もしかして、母さんに言われたんだろうけど俺は誰かに言われたから君を抱くことはしたくない。これは君だけの意思なの?」

「そ、そうです! 私、穂貴さんとの子供が欲しいです」


 もう、腹を括るしかない。後か先かのことだ……それに私、穂貴さんのこと、好きだと思う。たくさん優しくしてもらってたくさんのことを教えてくれて、甘やかされて。秘密のことは気になるけど、愛情は本物だと思う。胸の奥で、決意が固まる。穂貴さんの手を取ると、温かくて、胸がきゅんとする。


「私、穂貴さんが好きです……だから」


 そう、私が言えば穂貴さんとの距離はゼロになる。彼の唇が私の唇と重なった。柔らかくて、温かくて、心が溶ける。恥ずかしいのに、嬉しい。穂貴さんの匂いが近くて、胸が熱くなる。キスが深くなり、舌が絡む。甘い吐息が漏れて、体が熱くなる。
 穂貴さんの手が私の背中を撫で、優しく抱きしめてくれる。胸がきゅんとして、涙が出そうだ。


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