【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜



   ***


「……ん……っ」


 カーテンの隙間から漏れる光が眩しくて、目を覚ました。いつものように寝返りをしようと動かすががっしりと腰が掴まれていて、身動きが出来ない。
 普段の優しく触れる感じはなくまるで逃がさないとでもいうように捕まえられていて……何も身につけていない私は動く方が恥ずかしいと思って穂貴さんが起きるまでジッと大人しくしようと目を瞑る。
 目を閉じれば昨夜の記憶が蘇り、頰が熱くなる。あんなに大胆に求めて、抱かれて……恥ずかしいのに、幸せだと感じる。体に残る甘い痛みが、昨夜の激しさを思い起こさせていた。

 穂貴さんの温もりが近くて、安心するのに、秘密のことがまた頭をよぎる。朝の光の中で、葛藤が再燃する。でも、穂貴さんの寝息を聞くと、胸がきゅんとして、愛おしい。



「んんっ……」


 捕まえられているだけだと思ったのに、その腕がゆっくりと腹部から離れて上に彼の手が上がっていくのが分かる。その手が、私の膨らみに触れた。思わず声が漏れてしまうが、きっと寝ぼけているんだろう。そうに違いないと思うのに、快感が昨夜の続きのように体を駆け巡り、息が乱れた。



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