【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
その日の夕方、穂貴さんが会社から帰宅すると、手に小さな箱を持っていた。
「美宙ちゃん、これ」
開けてみると、中には小さな銀のペンダントが入っていた。シンプルなデザインだけど、中央に小さな藍色の石が埋め込まれており私が最近染めた藍染めの色に似ていた。
「俺がデザインして、知り合いの職人に作ってもらったんだ。美宙ちゃんが染めた藍の色をイメージして」
「穂貴さん……」
胸がきゅんとして、言葉にならない。涙がにじむ。穂貴さんが後ろからペンダントを私の首にかけてくれる。鏡を見ると、藍色の石が胸元で静かに輝いている。穂貴さんの手が肩に置かれ、温かい。
「似合うよ。美宙ちゃんにぴったり」
穂貴さんが私の肩を抱き、鏡越しに目が合う。その瞳が優しくて、愛おしくて、胸が熱くなる。涙が溢れ、頰を伝う。