【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
「でも、事故があって……美宙ちゃんが行方不明になった」
……え?
「それから、ずっと探してた。でも、やっと見つけた時、如月家に引き取られたって知って……それに記憶がないって聞いて、俺、どうしたらいいかわからなくて」
穂貴さんが私の頰に触れて、涙を拭ってくれる。その指先が優しくて、心が溶ける。
「だから、縁談の話を進めて、君をここに迎えた。もう一度、君に俺を見て欲しくて」
胸が熱くなる。穂貴さんの瞳に、深い愛が映っている。涙が止まらず、胸がきゅんとして、痛くて、幸せで……
「美宙ちゃん……ごめん。隠してて。でも、俺の気持ちは本物だよ。今は、今の美宙ちゃんを、全部愛してる」
その言葉に、涙が止まらなくなる。穂貴さんが私を抱きしめてくれる。ぎゅっと強く、温かくて、心が満ちていくのを感じた。