【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
「穂貴さん……あの、事故のこと、もっと詳しく聞かせてもらえますか?」
穂貴さんの手が止まり、ゆっくりと振り返る。その瞳に、痛みが閃いて、心が痛んだ。穂貴さんは私を引き寄せて、優しく抱きしめた。
「美宙ちゃん……本当に聞きたい? 辛い話になるよ。俺、君にこれ以上傷つけたくない」
穂貴さんの声が低くて、優しくて、胸が熱くなる。私は穂貴さんの胸に顔を埋め、震える声で答えた。
「はい……知りたいんです。私、穂貴さんのおかげで今ここにいるけど、過去を知らないままだと、ダメな気がして」
声が震える。だけど、彼の隣に立つにはしっかり聞いておかないといけないと思うのだ。
穂貴さんは私の髪を撫でて、深く息を吐いた。そして「そうだよね」と呟く。
「わかった……じゃあ、話すよ。でも、俺が知ってる範囲でね。事故の詳細は、俺の家族が調べてくれたことと、当時のニュースからだ。辛くなったら、いつでも止めていいから」