【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜

「違うの……嬉しいの。両親の顔、声、温もり……全部、ちゃんと戻ってきた。愛されてたって、胸の奥で実感できる。穂貴さんがいてくれたから、怖くなかった。穂貴さんの愛が、私をここまで導いてくれた」


 穂貴さんが私の頰を優しく包み、涙を拭ってくれる。その指先が震えていて、胸がきゅんとして、痛い。

 幸せで。穂貴さんが私の額に、唇に、涙に、優しくキスを落とす。記憶の痛みを、穂貴さんの愛がすべて優しく包み込んでくれる。穂貴さんの唇が柔らかくて、温かくて、心が溶けそうになる。


「美宙ちゃん……今夜は、俺に全部預けて。痛みも、涙も、全部俺が受け止める。君の心、俺の愛で優しく癒すよ」


 穂貴さんの手が私の体を優しく愛撫し、肌を愛おしむように撫でる。
 胸に触れ、頂に唇を寄せるたび、甘い吐息が漏れ、記憶の痛みが喜びに塗り替えられていく。体が熱くなり、胸がきゅんとして、涙が混じった喜びが溢れる。

 穂貴さんがゆっくりと私の中に入り、優しい動きで私を包み込む。体が溶け合い、心が完全に繋がる。穂貴さんの愛が、失われた時間をすべて取り戻してくれるように。穂貴さんの動き一つ一つが優しくて、愛でいっぱいで、胸が熱くなる。



< 88 / 102 >

この作品をシェア

pagetop