【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
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翌朝、目覚めると、記憶はさらに鮮明になっていた。幼い頃の穂貴さんとの出会いも、優しく胸に蘇る。
藤乃家のお庭で、穂貴さんが恥ずかしそうに小さな花冠を作ってくれたこと。「美宙ちゃん、きれいだよ」と耳まで赤くしながら言ってくれたこと。
胸がきゅんとして、涙が溢れる。あの時の穂貴さんの笑顔が、心を優しく温かく満たす。穂貴さんの寝顔にそっとキスをしてしまう。
穂貴さんが目を覚まし、私を抱き寄せる。穂貴さんの瞳が優しくて、愛でいっぱいで、心が溶けそうだ。
穂貴さんの手が私の腰を優しく抱き、穂貴さんの息が私の髪にかかる。
「美宙ちゃん……何か思い出した?」
「うん……穂貴さんとのことも。花冠、作ってくれたよね。あの時、穂貴さんが『ずっと一緒にいよう』って言ってくれたこと、覚えてる。あの言葉が、心の奥でずっと響いてたんだって、今わかるよ」
穂貴さんの瞳に涙が浮かび、優しく微笑む。穂貴さんが私の手を握り、指輪にキスを落とす。
「覚えててくれたんだ……俺、あの約束、守ったよ。美宙ちゃんを、ずっと探して、ずっと愛してた。君がいない時間、どれだけ胸が痛かったか……でも、今こうして君を抱きしめられることが、俺のすべてだよ」