【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~戦闘力ゼロの追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と送る甘々ライフ~
215. 恐るべき乱入
その時だった――世界が、揺れた。
ズン!
腹の底まで響く重低音が王国一帯に轟き渡り、空気がビリビリと不気味に振動し始めた。それは地震などではない。この世界の基盤そのものが軋んでいるような、空間自体が震えているような、根源的な揺らぎだった。
「……え?」
レオンは、この振動を覚えていた。
忘れるはずがない。十五年前のこの日、空から【彼女】が現れた時と同じ感覚だ。あの時、世界は終わりかけた。あの時、すべてが変わった。そして今、同じことが起ころうとしている。
「くっ……!」
レオンが空を見上げると、茜色から群青色へと移りゆく美しいグラデーションの中に、青い閃光が走っていた。それは稲妻のように一瞬で消えるものではなく、むしろ徐々に大きくなっていく。
「マジかよ……」
その激しい閃光は王国全体を昼間のように明るく照らしながら、一直線に降りてくる。まさに天が裂け、神々の世界から何かが落ちてくるのだ。
『おーーっと! こ、これは何だ? 皆さん、落ち着いてください!』
サキサカは感じたことのない恐るべき予感に全身を震わせながら叫んだ。歴戦の冒険者として数々の修羅場をくぐり抜けてきた彼でさえ、この圧倒的な存在感の前では子供のように震えるしかなかった。
「な、なんなのよ……」
ルナが呆然と呟いた。
「ま、まさか……」
エリナの顔が強張る。
「何しに来るのよ……」
シエルが弓を握る手に力を込めた。
「あちゃー……」
ミーシャだけが、諦めたような声を漏らした。
王妃たちは戦闘どころではなくなり、四人とも渋い顔をしながら手のひらでその眩い閃光を覆い隠し、空を見上げた。つい先ほどまで容赦ない戦いをしていた四人が、今は同じ方向を見つめている。共通の脅威を前にして、彼女たちの対立は一瞬で消え去っていた。
「きゃははは!」
鈴の音のような、澄んだ笑い声が王国中に降り注いだ。
その声は美しく、無邪気で、そして底知れぬ恐怖を孕んでいた。子供が蟻の巣を踏み潰す時に浮かべるような、悪意のない残酷さがそこにはあった。
まるで隕石が落ちてくるように、閃光は一気に降下してくる。
そして、直後――。
ズガァァァン!
アルカナタワーの上部に激突し、数十階分の構造物を粉々に吹き飛ばしながら、閃光は降りてきた。
「あぁぁぁぁ!」「なにすんのよぉ!」「もぉ!」
レオンや王妃たちは唖然とし、会場は阿鼻叫喚の渦に飲み込まれた。
十五年かけて築き上げた、この国の象徴。千メートルの高さを誇る白亜の塔。その頂上部分が、単なる登場だけで消し飛んだのだ。
ひぃぃぃ! キャァァァ!
会場の観衆たちはその天災に唖然とし、我先にと逃げ惑った。悲鳴が重なり合い、人々が押し合いへし合いしながら出口に殺到する。パニックの波が、数十万人の群衆を飲み込もうとしていた。
『落ち着いてください! 大丈夫です!』
レオンは冷や汗を垂らしながら、必死に声を張り上げた。
『あれこそ我が王国の生みの親、熾天使様の降臨です! この世界の創造神の右腕が、お祝いに現れてくださったのです!!』
声が震えている。しかし、ここで取り乱すわけにはいかない。これほどの大群衆が混乱すれば、将棋倒しで多くの命が失われてしまう。国王として、民を守らなければならない。
バラバラと、辺りの湖面に大理石の瓦礫の雨が降り注いだ。
そして、激光を放つ【彼女】は湖面の四人の巨大王妃たちの間に落下してきた。
ズン! と、派手な水柱が天高く上がり、湖水が爆発したかのように四方に飛び散る。その衝撃波で、王妃たちの体が揺らいだ。
水飛沫が収まった時、そこには巨大王妃と同じサイズの一人の女性が立っていた。
青い髪を靡かせた、美しい女性。
シアン。
十五年ぶりの、降臨だった。
シルバーのボディスーツに身を包み、全身から神々しい青い光の微粒子を振りまきながらの登場だった。その瞳は深い碧色で、覗き込めば宇宙の深淵が見えそうなほど底知れない。百メートルはあろうかという巨大な体で、腕をぶんぶんと振り回しながら、無邪気に笑っている。
「なーにやってんの? 混ぜてよ? きゃははは!」
いきなりの熾天使の乱入に会場は静まり返った。
神に連なる者の乱入、それは展開の全く読めない状況にみんな言葉を失ってしまう。
『おぉぉぉっと! 何とここで【宇宙最強】熾天使の乱入だぁぁぁ! 一体どうなんてしまうんだぁぁぁ!?』
サキサカのやけくそな絶叫が響き渡っていた。
◇
「ちょっと待ってください。これ、お祭り……なんですが……?」
エリナは恐る恐る、この創造神の片腕に声をかけた。かつて「黒剣の剣姫」と呼ばれ、数々の強敵を屠ってきた彼女でさえ、シアンの前では一介の少女のように萎縮してしまう。それほどまでに、この存在は規格外だった。
「お祭り? いーじゃん!」
シアンは屈託のない笑顔を浮かべた。
「倒したら勝ちなんでしょ? それぇ!」
次の瞬間、シアンは目にも止まらぬ速度でエリナに迫った。空間を歪めるほどの加速。音すら置き去りにする瞬足。
エリナは咄嗟に剣を構えたが――。
キィン!
シアンの鋭いパンチが黒剣に激突した。そして、ありえないことが起きた。エリナの愛剣、数々の魔物を屠ってきた名剣が、まるでガラス細工のように粉々に砕け散ったのだ。
ズン!
腹の底まで響く重低音が王国一帯に轟き渡り、空気がビリビリと不気味に振動し始めた。それは地震などではない。この世界の基盤そのものが軋んでいるような、空間自体が震えているような、根源的な揺らぎだった。
「……え?」
レオンは、この振動を覚えていた。
忘れるはずがない。十五年前のこの日、空から【彼女】が現れた時と同じ感覚だ。あの時、世界は終わりかけた。あの時、すべてが変わった。そして今、同じことが起ころうとしている。
「くっ……!」
レオンが空を見上げると、茜色から群青色へと移りゆく美しいグラデーションの中に、青い閃光が走っていた。それは稲妻のように一瞬で消えるものではなく、むしろ徐々に大きくなっていく。
「マジかよ……」
その激しい閃光は王国全体を昼間のように明るく照らしながら、一直線に降りてくる。まさに天が裂け、神々の世界から何かが落ちてくるのだ。
『おーーっと! こ、これは何だ? 皆さん、落ち着いてください!』
サキサカは感じたことのない恐るべき予感に全身を震わせながら叫んだ。歴戦の冒険者として数々の修羅場をくぐり抜けてきた彼でさえ、この圧倒的な存在感の前では子供のように震えるしかなかった。
「な、なんなのよ……」
ルナが呆然と呟いた。
「ま、まさか……」
エリナの顔が強張る。
「何しに来るのよ……」
シエルが弓を握る手に力を込めた。
「あちゃー……」
ミーシャだけが、諦めたような声を漏らした。
王妃たちは戦闘どころではなくなり、四人とも渋い顔をしながら手のひらでその眩い閃光を覆い隠し、空を見上げた。つい先ほどまで容赦ない戦いをしていた四人が、今は同じ方向を見つめている。共通の脅威を前にして、彼女たちの対立は一瞬で消え去っていた。
「きゃははは!」
鈴の音のような、澄んだ笑い声が王国中に降り注いだ。
その声は美しく、無邪気で、そして底知れぬ恐怖を孕んでいた。子供が蟻の巣を踏み潰す時に浮かべるような、悪意のない残酷さがそこにはあった。
まるで隕石が落ちてくるように、閃光は一気に降下してくる。
そして、直後――。
ズガァァァン!
アルカナタワーの上部に激突し、数十階分の構造物を粉々に吹き飛ばしながら、閃光は降りてきた。
「あぁぁぁぁ!」「なにすんのよぉ!」「もぉ!」
レオンや王妃たちは唖然とし、会場は阿鼻叫喚の渦に飲み込まれた。
十五年かけて築き上げた、この国の象徴。千メートルの高さを誇る白亜の塔。その頂上部分が、単なる登場だけで消し飛んだのだ。
ひぃぃぃ! キャァァァ!
会場の観衆たちはその天災に唖然とし、我先にと逃げ惑った。悲鳴が重なり合い、人々が押し合いへし合いしながら出口に殺到する。パニックの波が、数十万人の群衆を飲み込もうとしていた。
『落ち着いてください! 大丈夫です!』
レオンは冷や汗を垂らしながら、必死に声を張り上げた。
『あれこそ我が王国の生みの親、熾天使様の降臨です! この世界の創造神の右腕が、お祝いに現れてくださったのです!!』
声が震えている。しかし、ここで取り乱すわけにはいかない。これほどの大群衆が混乱すれば、将棋倒しで多くの命が失われてしまう。国王として、民を守らなければならない。
バラバラと、辺りの湖面に大理石の瓦礫の雨が降り注いだ。
そして、激光を放つ【彼女】は湖面の四人の巨大王妃たちの間に落下してきた。
ズン! と、派手な水柱が天高く上がり、湖水が爆発したかのように四方に飛び散る。その衝撃波で、王妃たちの体が揺らいだ。
水飛沫が収まった時、そこには巨大王妃と同じサイズの一人の女性が立っていた。
青い髪を靡かせた、美しい女性。
シアン。
十五年ぶりの、降臨だった。
シルバーのボディスーツに身を包み、全身から神々しい青い光の微粒子を振りまきながらの登場だった。その瞳は深い碧色で、覗き込めば宇宙の深淵が見えそうなほど底知れない。百メートルはあろうかという巨大な体で、腕をぶんぶんと振り回しながら、無邪気に笑っている。
「なーにやってんの? 混ぜてよ? きゃははは!」
いきなりの熾天使の乱入に会場は静まり返った。
神に連なる者の乱入、それは展開の全く読めない状況にみんな言葉を失ってしまう。
『おぉぉぉっと! 何とここで【宇宙最強】熾天使の乱入だぁぁぁ! 一体どうなんてしまうんだぁぁぁ!?』
サキサカのやけくそな絶叫が響き渡っていた。
◇
「ちょっと待ってください。これ、お祭り……なんですが……?」
エリナは恐る恐る、この創造神の片腕に声をかけた。かつて「黒剣の剣姫」と呼ばれ、数々の強敵を屠ってきた彼女でさえ、シアンの前では一介の少女のように萎縮してしまう。それほどまでに、この存在は規格外だった。
「お祭り? いーじゃん!」
シアンは屈託のない笑顔を浮かべた。
「倒したら勝ちなんでしょ? それぇ!」
次の瞬間、シアンは目にも止まらぬ速度でエリナに迫った。空間を歪めるほどの加速。音すら置き去りにする瞬足。
エリナは咄嗟に剣を構えたが――。
キィン!
シアンの鋭いパンチが黒剣に激突した。そして、ありえないことが起きた。エリナの愛剣、数々の魔物を屠ってきた名剣が、まるでガラス細工のように粉々に砕け散ったのだ。