遅ればせラブアフェア
我ながら辻褄が合っていない。【未来の旦那さま】というのは概念的なもので、本当に海里のためとかそんなものではないのだが、【未来の旦那さま=土方海里】というのは、現時点で認めざるを得ない等式だ。
でも違う。断じて違う。このいけすかない男のために純潔を貫いてきたわけでは……
「だ、第一、好き同士じゃないでしょう」
「……」
海里を黙らせる言葉を必死に探して呟いたが、彼から返ってくる言葉はすぐに予測がついた。
「それ、俺が旦那になっても解消しない問題じゃねぇの?」
「……」
「お前が俺のこと好きにならなきゃ一生解決しない問題だよ、それ」
低い声で淡々と詰めてくる海里にモヤっと体内で煤《すす》が湧いたけれど、言わずに留めた。
「あんたの方こそ、私なんか好きにならないくせに……」なんて、私が海里のこと好きになれる前提みたいで嫌だ。
それ以上何を言っても墓穴を掘りそうで、じっと黙りこくる私。それを見て、深いため息をついた海里は徐に腰を上げた。
「ちょ……何、」
「じゃじゃ馬のくせに、こういうとこは世間知らずのお嬢様だからな。お前」
「は……?!」
近づいてくる海里にただ戸惑っていれば、トンと肩を押され、最も簡単にベッドに寝かされた。
「どうせ俺と結婚するんだから、いつまでも夢見るのやめろ」
「ちょ、海里、やめ……」
「やめない。キスとセックス、一生知らずに死にたくないだろ?」
「なっ、……んぅ、」