(悩める)リケジョの白井さんと(気ままな)リケダンの日高くん
†††
「第一志望っていっても、まだ合格じゃないから」
卒業式は四日後で、合格発表はその二日後。
私たちは前期試験が終わったからこうやって学校でお弁当を食べているが、まだ受験中の生徒がいる。もちろん早々に進学先が決まって、ゆうゆうと引っ越し準備をしている生徒もいる。高校三年生の二月末なんて、ある種のカオスだ。
「でも、むっちゃんの場合ダイジョブじゃな~い。偏差値、下げたし」
浪人が許されないから、何がなんでも現役合格必須。それは事実で、確実に合格を狙った。目的は高偏差値大学への進学ではない、自分の進みたい大学。これでいいのだ。
「しかしまぁ、農学部なんて地味っちゃ地味だけど、むっちゃんがいくときいてイメージ変わったわ」
「そうそう、遺伝子工学を駆使して、きれいな新種の花を作ってよ」
「その花の名前は、ミス・睦実! やだ、ありそうじゃん!」
面白おかしく私の名を花名にして、仲良し四人組で笑いあったのだった。
「第一志望っていっても、まだ合格じゃないから」
卒業式は四日後で、合格発表はその二日後。
私たちは前期試験が終わったからこうやって学校でお弁当を食べているが、まだ受験中の生徒がいる。もちろん早々に進学先が決まって、ゆうゆうと引っ越し準備をしている生徒もいる。高校三年生の二月末なんて、ある種のカオスだ。
「でも、むっちゃんの場合ダイジョブじゃな~い。偏差値、下げたし」
浪人が許されないから、何がなんでも現役合格必須。それは事実で、確実に合格を狙った。目的は高偏差値大学への進学ではない、自分の進みたい大学。これでいいのだ。
「しかしまぁ、農学部なんて地味っちゃ地味だけど、むっちゃんがいくときいてイメージ変わったわ」
「そうそう、遺伝子工学を駆使して、きれいな新種の花を作ってよ」
「その花の名前は、ミス・睦実! やだ、ありそうじゃん!」
面白おかしく私の名を花名にして、仲良し四人組で笑いあったのだった。