(悩める)リケジョの白井さんと(気ままな)リケダンの日高くん
 進学は進学でも大学ともなれば全国区だ。出身が同校の人は限られる。ときには進学者が自分ひとりということもある。私はそのひとりの部類であった。

 (入学式で友達を作るっていうけど、学部が一緒とは限らないわよね)
 (期待するとしたら、式が終わったあとの農学部生だけのときだろう)
 (女子、どのくらいかな?)

 過去の大学資料では、農学部の女子比率は四割足らず。先月まで在校していた高校と同じぐらいである。

 (何とかなるわよね)
 (というか、何とかするの)
 (そのメンバーで卒業までいくんだから)

 得体の知れない不安と緊張でいっぱいのまま体育館へ入り、私は農学部と指定されたゾーンに着席した。


 ***


 入学式を終えて、学部単位で本校キャンパスへ異動する。こちらで入学後の受講手続きの説明会が行われるのである。
 指定された階段教室に入れば、次から次へと書類が渡される。カリキュラムをはじめとして、受講登録の案内云々である。
 大きいかなと思っていた書類鞄がその資料でパンパンとなる。学部ガイダンスは、入学祝辞からはじまって生徒心得のような注意事項をきき、受講登録の注意点へと続いていく。
 はじめての自由な服装、はじめての電車通学、はじめての選択授業…………高校と違いすぎる大学の自由度に、大学生になったのだと実感した。

 そうして、新学期ガイダンスが終わる。隣の席に座っていた女子と自己紹介をして、私はひとまず帰宅した。
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