(悩める)リケジョの白井さんと(気ままな)リケダンの日高くん
 なんだか、小動物か縫いぐるみのような表現で賛辞をもらう。
 「本当?」
 「ホント。俺は、高校のときのストレートヘアのきちんとしたのもいい感じだと思っていたけど、今のふわふわの、ゆるゆるのもいい感じ」
 卒アル委員会でみた日高くんは、とても人当たりのいい人であった。だから女子が傷つくようなことなど、いわないと思う。これもその一環だろう。でも……

 「よかった。ひとり浮いていたらどうしようかと思ったんだ」
 「そんなことないと思うよ。いや逆に目つけてる奴いるぜ」
 なんと、予想以上のウケの良さである。
 「それはないよ~。まだ一日目だし」
 「いやいや、それはわからん」
 高校のときも男子より女子の数が少なかったが、私にそういう色っぽい話はなかった。白井さんはそういうんじゃないから……だった。これは、大学でもきっと、そうだろう。
 「まぁ、それで、カレシができればラッキーかな」
 おどけてそういえば、日高くんは興味がないらしく、すぐに話題を変えた。

 「ところで、時間は大丈夫?」
 再び、時間を訊いてきた。
 「というのは?」
 「パフェ、食べない? 気になっているのが、ひとつあるんだけど」
 パフェといわれて、私は目が大きくなった。この人は、なんだってこうなんだろう。

 今日は入学式である。式も、ガイダンスも、午前中で終わった。
 昼ご飯はサークルの勧誘が怖くって、そそくさと横を通り過ぎた。
 そう、時刻は昼ご飯時をとっくに過ぎているものの、私は昼ごはん抜きで空腹であった。

 「そこって、お昼、食べれる?」
 「飯? パスタがあったはず」
 「じゃあ、いいよ。お昼まだだから」

 私は今日が入学式であったが、日高くんは明日が入学式だという。最後の春休みを堪能すべく、気になるパフェを食べることにしたとのこと。
 「電車通学っていっていたけど、白井さんこの路線なんだ」などといいながら、甘くてイチゴがてんこ盛りのパフェ目指して、ふたりで並んで歩いていったのだった。


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