(悩める)リケジョの白井さんと(気ままな)リケダンの日高くん
 うちのクラスは理系である。理系男子は工学部が最多数で、悩むのであれば学科の問題だと思っていた。
 なのに日高くんは、理系とは関連が薄そうな『映像関係』という。
 うっかり私は変な顔をしてしまったらしい、ぷっと日高くんが噴出した。

 「!」
 変な顔をして笑われて、頬がかっと熱くなるのがわかる。
 「いや、悪い。白井さんがそんな顔するなんて……」
 「し、失礼ね。カノジョを差し置いて、パフェにお付き合いしたのに」
 「ごめん、ごめん。パフェの恩を仇で返してしまった。それに俺、カノジョいないから。いないから、パフェ食べれなかったんだ」
 ますます自分の顔が赤くなるのがわかる。今度は申し訳なさ、で。故意ではなかったとはいえ、プライベートなことを告白させてしまった。

 「あ、ごめん。余計なこと、しちゃったかも」
 慌てて謝れば、日高くんは
 「いやいや、白井さんならいいよ。言いふらしたりしないだろうし」
 とニコニコ顔で、アイスティーを口にした。


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