窓明かりの群れに揺れる
 翌日

 「おはようございまーす」

 恵が出社してきた。

 少し顔色は白いのに、
 声だけはいつも通り明るい。

 「……恵さん!」

 春奈が立ち上がりかけると、
 恵は手をひらひらさせた。

 「大丈夫大丈夫。
  ちょっと寝たら復活した〜」

 直樹も笑って「復活早っ」と返す。

 達也は安心したように息を吐いて、
 軽く手を振った。

 外から見れば、いつもと同じ朝。
 いつもと同じメンバー
 何事もなかったみたいに、
 仕事の一日が始まる。

 ――ただ春奈だけが、
 恵の笑顔の奥に、まだ残っている
 “疲れ”を見逃せないままだった。
< 101 / 122 >

この作品をシェア

pagetop