窓明かりの群れに揺れる
ここにたどり着くまで、
春奈はいくつも遠回りをしてきた。
就活で上京して、
不安と一緒に面接を受けて、
見知らぬ街で一人暮らしを始めて。
達也と出会って、
惹かれて、
期待して、
それでも埋まらない違和感を、
ずっと胸の奥に抱えたまま――。
あの頃の自分には、
きっと想像もできなかった道のりを、
大きな円を描くみたいに回って、
春奈はまた、
この部屋の灯りの下に戻ってきた。
夜が、静かに更けていく。
遠くのビルの窓明かりが滲んで、
世界の輪郭が、ゆっくりと溶けていった。
――それからのことは、
二人だけが知っていればいい。
カーテンの隙間から
差し込む都会の光が、
少しずつ形を失っていく中で、
春奈は、胸の奥でそっと思う。
(遠回りしたけど……
ちゃんと、
ここまで戻ってこられた)
何度も、確かめるみたいに。
この場所が、
「戻ってきてもいい場所」から、
「これから一緒に過ごしていく場所」
へと
静かに姿を変えていくのを、
春奈は、
ぬくもりの余韻と一緒に受け止めていた。
春奈はいくつも遠回りをしてきた。
就活で上京して、
不安と一緒に面接を受けて、
見知らぬ街で一人暮らしを始めて。
達也と出会って、
惹かれて、
期待して、
それでも埋まらない違和感を、
ずっと胸の奥に抱えたまま――。
あの頃の自分には、
きっと想像もできなかった道のりを、
大きな円を描くみたいに回って、
春奈はまた、
この部屋の灯りの下に戻ってきた。
夜が、静かに更けていく。
遠くのビルの窓明かりが滲んで、
世界の輪郭が、ゆっくりと溶けていった。
――それからのことは、
二人だけが知っていればいい。
カーテンの隙間から
差し込む都会の光が、
少しずつ形を失っていく中で、
春奈は、胸の奥でそっと思う。
(遠回りしたけど……
ちゃんと、
ここまで戻ってこられた)
何度も、確かめるみたいに。
この場所が、
「戻ってきてもいい場所」から、
「これから一緒に過ごしていく場所」
へと
静かに姿を変えていくのを、
春奈は、
ぬくもりの余韻と一緒に受け止めていた。