窓明かりの群れに揺れる
ビールからハイボールに変わった頃には、
達也の口調は、かなり回っていた。
「ほんっと、情けねえよな、俺」
「そんなことないよ」
「情けねえって。
仕事でも負けて、男としても微妙でさ」
「微妙って何それ」
「……いろいろ、だよ」
笑おうとして、うまく笑えない。
閉店時間が近づき、
「そろそろラストオーダーですけど、
どうされますか?」
店員の声に、恵が顔を上げた。
「あ、すみません。飲み物はこれで」
会計を済ませて外に出た瞬間、
夜風が熱くなった頬を撫でた。
「……帰るか」
「そうだね。
でも、大丈夫?」
「だいじょぶだいじょぶ。
まだ終電――」
そう言いかけた瞬間、
達也の足元がふらりと揺れた。
「ちょっと!?」
慌てて肩を支える。
「やっぱり無理。
こんな状態で電車乗せたら危ないって」
「平気……だから……」
「平気じゃない!」
想像以上に重たい身体に、
恵は思わず声を荒げた。
周囲の視線に気づき、
慌てて声を落とす。
「タクシー拾う。
まっすぐ家まで……って言いたいけど、
あんた一人で家まで歩けないでしょ、
この状態」
「……」
達也は、素直に黙り込んだ。
黙っているしかない、というべきかもしれない。
達也の口調は、かなり回っていた。
「ほんっと、情けねえよな、俺」
「そんなことないよ」
「情けねえって。
仕事でも負けて、男としても微妙でさ」
「微妙って何それ」
「……いろいろ、だよ」
笑おうとして、うまく笑えない。
閉店時間が近づき、
「そろそろラストオーダーですけど、
どうされますか?」
店員の声に、恵が顔を上げた。
「あ、すみません。飲み物はこれで」
会計を済ませて外に出た瞬間、
夜風が熱くなった頬を撫でた。
「……帰るか」
「そうだね。
でも、大丈夫?」
「だいじょぶだいじょぶ。
まだ終電――」
そう言いかけた瞬間、
達也の足元がふらりと揺れた。
「ちょっと!?」
慌てて肩を支える。
「やっぱり無理。
こんな状態で電車乗せたら危ないって」
「平気……だから……」
「平気じゃない!」
想像以上に重たい身体に、
恵は思わず声を荒げた。
周囲の視線に気づき、
慌てて声を落とす。
「タクシー拾う。
まっすぐ家まで……って言いたいけど、
あんた一人で家まで歩けないでしょ、
この状態」
「……」
達也は、素直に黙り込んだ。
黙っているしかない、というべきかもしれない。