窓明かりの群れに揺れる
通りに出てタクシーを止める。
ドアが開くと同時に、
達也を半ば押し込むように乗せた。
「すみません」
恵は運転手に頭を下げる。
「この近くで、
空いてるビジネスホテルって
ありますか?」
「ビジネスホテルですか?
今日はちょっと…」
運転手はタブレットで近隣の空室状況を
確認しながら首を振る。
「近くのチェーン系、
どこもいっぱいみたいですね」
「そう、ですか……」
恵は、窓の外に流れる街の灯りを
見つめながら、
唇をきゅっと噛んだ。
「この辺だと、
あとはああいうホテルしか
空いてないかもしれませんね」
運転手が、
フロントガラス越しにネオンの看板を
顎で示す。
そこには、見慣れた
“それ用”のラブホテル街の灯りが
連なっていた。
「…………」
一瞬、返事ができなかった。
明日は普通に出社日だ。
このまま駅まで送ってもらっても、
ぐらぐらの達也を抱えて
帰れるとは思えない。
(どうするのよ、私)
頭の中で、
「やめとけ」という声と
「今は安全第一」という
現実がぶつかり合う。
数秒の沈黙のあと、
恵は小さく息を吐いた。
「……すみません。
さっきの角を右に曲がったところの、
一番手前のホテルまでお願いします」
「かしこまりました」
タクシーは、
ゆっくりとネオンの並ぶ通りへと
入っていく。
ドアが開くと同時に、
達也を半ば押し込むように乗せた。
「すみません」
恵は運転手に頭を下げる。
「この近くで、
空いてるビジネスホテルって
ありますか?」
「ビジネスホテルですか?
今日はちょっと…」
運転手はタブレットで近隣の空室状況を
確認しながら首を振る。
「近くのチェーン系、
どこもいっぱいみたいですね」
「そう、ですか……」
恵は、窓の外に流れる街の灯りを
見つめながら、
唇をきゅっと噛んだ。
「この辺だと、
あとはああいうホテルしか
空いてないかもしれませんね」
運転手が、
フロントガラス越しにネオンの看板を
顎で示す。
そこには、見慣れた
“それ用”のラブホテル街の灯りが
連なっていた。
「…………」
一瞬、返事ができなかった。
明日は普通に出社日だ。
このまま駅まで送ってもらっても、
ぐらぐらの達也を抱えて
帰れるとは思えない。
(どうするのよ、私)
頭の中で、
「やめとけ」という声と
「今は安全第一」という
現実がぶつかり合う。
数秒の沈黙のあと、
恵は小さく息を吐いた。
「……すみません。
さっきの角を右に曲がったところの、
一番手前のホテルまでお願いします」
「かしこまりました」
タクシーは、
ゆっくりとネオンの並ぶ通りへと
入っていく。