窓明かりの群れに揺れる
肩に置いていた手が、
自然と、恵の腰のあたりを支える形になる。
支えているはずなのに、
少しずつ自分の世界が
恵ひとりの重さで埋まっていく。
支えようと伸ばした手が、
気づけば彼女の動きに合わせて
添えられているだけになる。
ゆっくりと、沈み込む。
息を詰めて目を閉じた恵の影が、
ひとつ、ふるりと震える。
「んっ……」
かすれた息づかいが、耳元で何度も揺れる。
ほんの少し持ち上がって、また落ちてくる。
そのたびに、
達也は、深く包みこまれた温かさと、
柔らかい重力が入り込んでくるようで――
支えている腕より先に、
意識のほうが追いつかなくなっていく。
恵は
達也の支える腕の力加減で、
自分の重さも、震えも、
すべて受け止められているのがわかる。
その安心感が、
かえって恵のほうのブレーキを外していく。
(達也くん……)
動くたびに、
達也の呼吸がわずかに乱れる。
その変化ひとつひとつが、
自分だけの秘密の答え合わせみたいに
体の奥に刻まれていく。
(今日は、すべてをあげる)
そんな言葉にもならない約束を、
何度も心の中で繰り返しながら、
恵はただ、彼の上に身を預け続けた。
どこまでが自分の鼓動で、
どこからが達也の鼓動なのか、
途中からわからなくなる。
言葉にならないため息が、
何度も何度も漏れ出す。
「ん……っ」
熱いものが下からせり上がり、
容赦なく乱れた吐息が、口から漏れ出る。
思わず、ぐっとしがみついた瞬間
「いっ……く! ……」
一瞬にして全身が溶けて、
その熱くなった身体をすべて預ける。
震えていたのか、無意識の海に浮かぶ。
まぶたに光が戻り
恵は、
そのあたたかい胸に幸せを感じていた。
窓の外の光が少しずつ
角度を変えていることさえ、
頭のどこかでしか認識できなかった。
この時間が終わったら、
もう二度と同じところには
戻れないと知りながら――
それでも、今だけは離れたくないと、
一時の幸せを、全身で感じながら、
恵はまた深く目を閉じて、
その胸にしがみついていた。
自然と、恵の腰のあたりを支える形になる。
支えているはずなのに、
少しずつ自分の世界が
恵ひとりの重さで埋まっていく。
支えようと伸ばした手が、
気づけば彼女の動きに合わせて
添えられているだけになる。
ゆっくりと、沈み込む。
息を詰めて目を閉じた恵の影が、
ひとつ、ふるりと震える。
「んっ……」
かすれた息づかいが、耳元で何度も揺れる。
ほんの少し持ち上がって、また落ちてくる。
そのたびに、
達也は、深く包みこまれた温かさと、
柔らかい重力が入り込んでくるようで――
支えている腕より先に、
意識のほうが追いつかなくなっていく。
恵は
達也の支える腕の力加減で、
自分の重さも、震えも、
すべて受け止められているのがわかる。
その安心感が、
かえって恵のほうのブレーキを外していく。
(達也くん……)
動くたびに、
達也の呼吸がわずかに乱れる。
その変化ひとつひとつが、
自分だけの秘密の答え合わせみたいに
体の奥に刻まれていく。
(今日は、すべてをあげる)
そんな言葉にもならない約束を、
何度も心の中で繰り返しながら、
恵はただ、彼の上に身を預け続けた。
どこまでが自分の鼓動で、
どこからが達也の鼓動なのか、
途中からわからなくなる。
言葉にならないため息が、
何度も何度も漏れ出す。
「ん……っ」
熱いものが下からせり上がり、
容赦なく乱れた吐息が、口から漏れ出る。
思わず、ぐっとしがみついた瞬間
「いっ……く! ……」
一瞬にして全身が溶けて、
その熱くなった身体をすべて預ける。
震えていたのか、無意識の海に浮かぶ。
まぶたに光が戻り
恵は、
そのあたたかい胸に幸せを感じていた。
窓の外の光が少しずつ
角度を変えていることさえ、
頭のどこかでしか認識できなかった。
この時間が終わったら、
もう二度と同じところには
戻れないと知りながら――
それでも、今だけは離れたくないと、
一時の幸せを、全身で感じながら、
恵はまた深く目を閉じて、
その胸にしがみついていた。