これはもはや事故です!
「……美羽さん」

「は、はいっ」

 美羽の肩が跳ねる。

「足、今日は痛まないか?」

「……大丈夫です。ほんとに、だいぶ良くなってて……」

「そうか」

 磯崎は、少し考えるような顔をしたあと、ぽつりと言った。

「……じゃあ」

 美羽の心臓が、どくんと大きな音を立てた。

「今日は、大丈夫だな」

(え、それどういう意味!? “大丈夫”って何!? 何が大丈夫なの!?)

 美羽の脳内が大混乱している間に、磯崎は何事もなかったように立ち上がる。

「風呂、どうする?」

「……え」

「足のために、ゆっくり浸かれなかっただろ?今日は、ゆっくり入れるな」

(そっち!? お風呂の話!?)

「じゃ、じゃあ……先に、いただきます……」

 自分でも何に焦っているのかわからない。

(私……やばい、やばい)
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