これはもはや事故です!
 レントゲンの結果がモニターに映し出されると、医師はほっとしたように言った。

「骨には異常ありません。中度の捻挫ですね。しばらくは安静に。歩行はできるだけ控えて。痛み止めと胃薬、湿布薬を出しておきますね」

「はい」と、うなずく美羽の後ろから、磯崎の声がした。

「どのくらい安静にする必要がありますか?それと、対処方法は?」

これから、腫れてくるだろうという事や、その対処方法を医師が説明している間、美羽はポカンと磯崎を見ていた。

「診断書もお願いします」

 患者である美羽より冷静な磯崎は、必要なことをテンポよく医師へ伝える。

 美羽はの足首には、おおげさなほど、がっちりと包帯を巻かれ、固定される。薬を貰い、会計を終えると、美羽はようやく緊張から解放されたように息を吐いた。

「はぁー。この足じゃ……マンションの階段のぼるのきつそう。それに仕事も当分休まなきゃ……」

生活面や金銭的な事を考えると、美羽の頭の中は不安で埋め尽くされる。
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