夫のいない間に
 「よかったら合わせられてくださいねぇ」
 「この色、今年の流行りですよ」
 「お客様、お若く見えますから、これくらい足を出されてもいいと思いますよ」

 ちょっと、服に触れてみようものなら、すかさず店員が寄ってきては試着を勧める。
 その店員というのが、テレビから出てきたような、美人で、ネイルも服に合わせて凄く凝っていた。
 そばにいるだけで、気後れしてしまう。

 「うわ、やっぱりお似合いです、背中のラインも綺麗ですよ」

 「……そう?」
 「はい! この夏用のストールもオススメです」

 私だけかもしれないけれど、ショッピングモールとは違い、じっくり、そして値段を見て服を選べない。

 「……じゃあ、これを」

 なので、本当に自分に似合うのかも分からない、大して欲しくないカットソーと膝丈のスカート、使い勝手の悪そうなストールも買ってしまった。



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