夫のいない間に
 子供たちが出掛けた平日の朝。

 洗濯物を干し、ウッドデッキから荒れた庭を見渡す。

 「草むしり……そろそろしなきゃな」

  16年前。
  家を建てた頃は、綺麗な芝生が一面に広がっていたのに、今ではその跡形もない。

 几帳面な性格でもないし、何よりガーデニングに興味がなく、虫が最大の敵だった私は、芝生には始めから反対したのだ。

 「子供も手がかかるのに、まめに草むしりはできないから」 と。

  それなのに、

 「庭付き一軒家で芝生にしない理由はない。 パットゴルフの練習もできるし。お前はパートで暇だろ」


 夫は、私が庭を手入れするのを前提で、強引に推し進めた。

 そもそも、庭付き一軒家なんて、私は望んでなかったのに。



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