夫のいない間に
 賃貸と違って、家の劣化は自分達で改修しなければならないし、何より、家を建てたら、ずっとそこ住まなきゃいけない。

 社交性がある夫とは違い、私は、近所付き合いも苦手な人間だ。

 密集した住宅地にいると、息苦しい。
 それでも、家庭の中が温かで満たされていれば、私は生きていけるのに。

 草木の生い茂った庭から目をそらして、初夏なのに肌寒い室内に戻った。


 庭だけじゃない、もう、家の掃除さえもしたくなくなった。

 どんなに綺麗にしたところで、誰も誉めないし、喜ばないから。



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